羊増し増し

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忘却の彼方で再会を 感想


2022.06.26


ザワこと深澤悠斗さんを目当てに割と突発的に見に行きました。結論から言うと展開が良い意味で予想外でとても引き込まれました。


【軽いあらすじ】

忘却の魔法を使う魔女・オリビアとからくり人形・ララ。人より長く生きる辛さから閉じこもるようになったオリビアは、ある日見つけたからくり人形ララの踊りに感動し、彼女に人間のように動ける魔法をかける。

2人は平和に暮らしていたが、人間が争いを始め、人間の悪意に初めて触れたララは暴走し殺戮を始めてしまう。オリビアはそれを鎮めるために人々から争い、そして自身に関することを忘却させ、1人身を潜めることになる。

リビアのことを忘れてしまったララもまた1人、「愛とは何か」を探し求めて彷徨い歩く。


それから長い年月が経ち、オリビア達の物語が「御伽噺」として語り継がれた時代に生きる体の弱い少女・麗奈とその弟・大和。麗奈の病を治す為、「忘却の魔女」を探す2人が「姿なき街エイダ」にやってくるところから物語がスタートする。


最初こそ「愛とは何かを、からくり人形が人間と触れ合うことで理解していくハートフルストーリー」だと思ってたんですが、後半ほぼ銃撃音でおったまげました。

ザワ演じるアイザックとその手先・エイミーが、オリビアの持つ魔導書・グリモアを手にする為に手段を選ばなかった結果なのですが、アイザックがだいぶゲスで思い切りが良くて変な笑顔になりました。

アイザックと麗奈はかつて冒険者だったときにバディを組んでいたのですが、アイザックはその際麗奈に好意を抱いていました。しかしそれを麗奈に拒まれたことで、「グリモアの力を使って麗奈を永遠に僕のものに」という願いを叶える為暴走します。

エイダに来るまでの間も魔術に必要な魔女の血を集める為魔女を63人エイミーに殺させるのですが、そのエイミーも実は純血の正真正銘の魔女だった(本人は戦争孤児で自身が魔女だとは知らなかった、知らずに同族を殺していた)、という酷い展開。

魔術を止めようとした新聞記者(本当は刑事)のレオや大和を容赦なく撃ち殺し、幼い頃から魔女を忌み憎むよう育てられてきたエイミーには拳銃を渡し自らの頭を撃ち抜かせ、魔術に必要な純血の魔女の血を回収します。桜井くんやってた頃からは想像もつかないような非道っぷりに笑いしか出なかったです。まあ彼の計画は麗奈の掌の上で、結局彼女に利用され計画は頓挫してしまうのですが……。


その他にも、エイダのギアシステム(街は蒸気や歯車が発達している)はかつて予算の問題で中止になった開発技術が利用されており、何故無いはずの技術が使われているのか?→実はその技術を開発した数学者がオリビアのかつての居場所となっており、彼の「500年後の世界が見たい」という願いを叶える為にオリビアが魔法を使った結果だった、といった感じに伏線が回収されていったのがよかったです。

主催の劇団天の河神社のモットーとして「何がなんでもハッピーエンドにする」というものがあるらしいのですが、この作品も例に漏れず最後は温かいエンディングを迎えていました。


今までも毎熊さん出演の舞台ぼくらの七日間戦争、土屋さん菊池さん出演の舞台アオアシなど、役者目的で観た舞台がいくつかあるのですが、どれもすごく面白くて観終わった後に観て良かった〜と思えるものばかりで、今回も観にきて良かったです。完全に舞台観劇が趣味に加わった感じがあります。


生きてるってサイコ〜



おまけ:劇団天の河神社の主宰の鳥居さん 主宰!?若!?てなったしカテコで誰より泣いててウケちゃった