羊増し増し

感想をまとめたいときに使います アイコン:@ island_tenn_作

20年-映画プリキュアオールスターズF

見たかったものが70分の中に詰め込まれた奇跡の映画、プリキュアオールスターズF。

初日、それも平日の早朝に女児アニメ映画をキメる奇行を冒してでも観に行く価値がある。

 

そもそもテーマが良いな、と思った。予告に使われていた「プリキュアって何?」がそのままテーマになっている(たぶん)。変身していたらプリキュアなのか?妖精がいたら?自分と同じような仲間がいれば?要素だけ真似したものってプリキュアって言えるの?そんな疑問の象徴がシュプリームだったように思う。

キュアウィングの登場やぼくプリの登場など、「女の子だって暴れたい!」から始まったプリキュアでは日々男子キュアの論争を見かける。女の子じゃないとプリキュアではないのか?そこに繋がる……気がする。ちなみに私は賛成派です。20年も続いているんだから時代は変わっていくし、"女児向け"アニメやゲームが静かになっていく中で男の子も興味を持ってくれるなら嬉しいから。あとオタクって最初文句言ってても結局手のひら返すから。

 

後半怒涛の展開ヤバかった〜〜〜〜!!シュプリームが正体を明かしたときの2Pカラー形態で既にかっこいい!とボルテージはMAXで。シュプリームの目的が「強くなりたい、強さを証明したいから」なのも良いよね。ダンガンロンパの妹様とか、特に誰かに恨みがあったわけでもなくめっちゃ自分勝手に振る舞うタイプの敵が好きなので。

前半がプリキュア同士の越境で割とほのぼのしていたので、意外と泣かないかも……と思っていたら後半滅多打ちにされた。過去ストーリープレイバックはヤバい。

子供のときに見ていたプリキュアは正直ストーリーを覚えていないこともある中、フレッシュプリキュアキュアピーチイースが闘う話は前後も含めてめちゃくちゃ大好きで覚えていて。ラブとせつなの状態で遊びに行ったとき2人でこれ!って選んだカプセルの中身が四葉のクローバーのネックレスだったところとか、その後イースが踵でそれを踏み砕いてしまうところとか。

映画でキュアハートたちの回想が始まったとき、ヤバい……これはピーチのときあれが来てしまうのでは……と思っていて予想通り来たときの衝撃たるや。その前のココとのぞみで絶叫しかけてたのに追い討ちをかけてきた。あの場にいて声を出さなかった私も大きなお友達も偉いよ……。よく動画サイトやSNSで感動シーン集ってあるけど、公式がやると火力が高すぎて危険だ。映画館で両隣も大人、それも丁度男女2人ずつだったけど、あの回想シーンで全員泣き出したの一体感があって良かった。

あれだけ人数がいれば喋るプリキュアも限られてくる中、マーメイドがラメールと会話してくれたのが嬉しかった!ここは会話させたいって製作陣が思ってくれたのかな。夢がある。他にも食べ物系キュアにしれっと混ざり込むキュアパパイアとか、でんぱ組.incのえいたそから成瀬瑛美になってもまた会えたキュアスターとか、大事なときに「なんでもできる、なんでもなれる」って言ってくれたキュアエールとか、好きな場面を挙げ出したらキリがない。

バトルシーンではないけれど、ツバサくんを見たさあやが「鳥ではないけど、私の友達にも似たような(変身をする)子がいるの」と恐らくハリーのことを"友達"って呼んでいたのも良かったな。それなりに年が離れているイメージだったけど、お兄さんではなく友達なんだな。

 

見終わって真っ先に思い浮かんだのが「平ジェネだったな……」だ。平ジェネ、もとい「平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER」。タイトルの通り平成になってから誕生した仮面ライダーが20作になった記念として上映されたもので、当時のライダーたちはもちろん、佐藤健といった豪華素面キャストがサプライズで登場するなどのお祭り映画である。

これも映画館で見たのだが、「弟が見ていたのを横で見てたくらいの私ですらこんなに熱い気持ちになるんだから、全部見てた人はヤバいだろうな……」と思っていた。それがプリキュアオールスターズFで私に降りかかってきた。

子供の頃から見ていたプリキュアがみ〜んないるし、満も薫もキュアエコーも妖精キュアもいる。FUJIWARAもいる(らしい)。ここの怒涛のキャラクター登場シーン正直追い切れていないのでまた見たい。

 

プリキュアの真似事をしようとして生まれたシュプリームの姿と、"みんなを助けたい"という願いの力でプリキュアになった妖精のプーカの姿がほぼ同じなのめちゃくちゃ皮肉だな!と思った。自分はプリキュアの真似事しかできなくて、いらないと突き放した妖精はプリキュアになっている。

この2人が最終的に和解し、「ふたりで」また始めよう、と言うのがすごく感動した。「ふたりは」から始まったプリキュアは、「ふたりで」また始まっていくんだ、って。

 

でも結局Fって何だったの!?あれだけcmで匂わせてたのに!と思ってパンフを読んだけど、挿入歌の「All for one Forever」の歌詞が答えだなと。大きな1つの答えがForeverで、その中にFriendとかFutureが含まれている感じ?Final……?なんて不安を煽られたが、歌詞を見る限り「never ever Final」という意図らしい。

これ書くために改めて歌詞見たら、プリキュアは終わらないよ!って力強く訴えかけてくれている気がして泣いてしまった。そして作詞こだまさおりだったんだね……流石……。

 

今回ミラクルライトを使うタイミングが明確に提示されなかったけど、だからこそ各々が好きなタイミングで振っていたのも良かった。スカイとプリズムが泣いているときに振っている子がいて、ミラクルライトって闘うプリキュアにがんばえ〜!しがちだけど、ああしてプリキュアが辛いときに振ってあげるのも良いなと思った。

 

ストーリーもかなり展開が早いし、敵の目的も子供には分かりづらくないのかな?とちょっと感じた。正直「プリキュアが大好きで、これからも好きな貴方へ」向けた映画なのは否定できないと思う。でも私は20年前からプリキュアが大好きで、おばあちゃんになってもプリキュアが大好きな大きいお友達だから大満足なのだ。もちろん子供たちも楽しめてたら嬉しいな!!!