羊増し増し

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ドマステ感想

 

土屋さんが代役で舞台初主演を務めると知り、これは行かねばと思い『脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」フラッシュバック』を4月30日に観劇してきました。

 

原作はボーイズラブのゲームで、しかも年齢指定要素があるとのことで最初は驚きました。ルートも6つあり、原作を知らない私はどれを見るべきなのかも悩みました。公式サイトのキャラクター紹介ページやプレイ動画、初演のレポなどを見て、クリアルートを観ることに決めました。

というのもこのゲーム、ただ年齢指定というだけでなく暴力!ドラッグ!強姦!複数プレイ!みたいなダークな面がかなり目立つなと感じたので、せめて平和そうなルートを……という思いがありました。

それに加え、私はHUGっと!プリキュアに登場する愛崎えみるとルールー・アムールの友情が好きで、同じく人間とアンドロイド要素のあるクリアルートに惹かれました。

 

結論から言うと、クリアルートを選んでマジで良かったです。すごく感動しました。

 

まず蒼葉について。本人もおっしゃっていましたが、土屋さんが過去に演じてきたキャラクターはクールだけど情熱を内に秘めている……という性格の子ばかりだったので、蒼葉の明るくからっとした性格のキャラクターは新鮮でした。ちょくちょく蒼葉が土屋さんであることを忘れて、そういえば今演じてるの土屋さんだったな……となりました。暴露ちゃん?のときの声は素の土屋さんの声に近いので、あっ土屋さんだ、となりました。

クリアルートはコメディテイストな部分もあったのでよく蒼葉がズッコケてましたが、クリアが「マスター!大変なことに気づきました!窓の外を見てください!もう夜です!寝ます!」と言ったときのズッコケ方がかなり派手で、お客さんからも心配を含んだ笑いが起きてました。腰大丈夫だったかな……。

男に体をまさぐられるシーンがあるのは知ってましたし、観る前は観たらどうなっちゃうんだろ!?と未知のものに対するワクワクみたいなのもあったんですけど、観たらちゃんと胸糞悪かったです。ここに関しては2回目以降見るのはキツイな……と思ってしまった。演出が悪いとかではなく、私自身が胸糞悪い展開に耐えられないというだけです。むしろ蒼葉にとって嫌なシーンで、観ている人がちゃんと胸糞悪くなるようにできているのは良いことだと思います。

 

クリアについて。紅雀やミズキ、ノイズなど、蒼葉の周りは血の気が多い人が集まっているので、蒼葉と同じくリブにもライムにも所属していないクリアは結構異質な存在だなと感じました。蒼葉の家の窓破ってくる時点でだいぶヤバいですけど。

蒼葉を何故マスターと呼ぶのかも長らく明かされませんし、ガスマスクをつけていて素性も分からないようなキャラクターですが、蒼葉に手を出されて激昂するのを見ていると悪い人ではないんだな、と感じられて好きでした。

噂は予々聞いておりましたが、裸エプロン、ヤバい。どうしてそこの再現に本気を出したんだと言いたくなりますが、クリアルートの特徴でもある少しコメディな部分が強調されるので良かった……のか?正面より後ろ姿の方がインパクトデカくて観客から悲鳴が上がってたのが面白かったです。最前の人はどんな景色だったんだろうか……。その後の蓮と蒼葉のやり取りもヤバかったです。知ってる俳優の口から尻が連呼される舞台。

 

2人のシーンで印象的だったのはやっぱり「くらげのうた」ですね。アクアパーク品川しながわ水族館が近くにあるステラボールで公演が行われているのが素敵な縁だなと。歌詞が無く、クリアのダンスで表現されているのが2人だけの空間という感じがして、「あ、これは泣く」と思いました。実際泣きました。原作では歌詞があるみたいで、ゲームと舞台で2つのくらげのうたがあるのは良いですね。

素顔を明かすシーンも印象的でした。「自分の顔を見たことがない、おじいさんにはガスマスクを外すなと言われたからもしかしたらすごく変な顔をしているのかもしれない」と不安がるクリアに対して、「変じゃない、目の鼻も口も全部自分と同じ」と蒼葉が優しく伝えていたのが温かかったです。かっこいいよ、とかではなく同じだよ、と伝えているのも良かったです。

いつだったか忘れてしまいセリフもうろ覚えなのですが、クリアが「もう一度名前を呼んでも良いですか。蒼葉さんごめんなさい、好きです。」と言ってキスをしたシーンがすごく好きで。普段マスターという特殊な呼び方をしているからこそ名前呼びはグッときますし、前半あれだけコミカルなところを見せられてからの「ごめんなさい」はギャップがありました。クリアからのキスが嫌じゃなかった、と言う蒼葉にもくすぐったさがあって、萌え。

せっかく良い感じになってきたのに待ち受けるラスボス戦。クリアがボロボロになってしまうのは事前の下調べで知っていたのですが、それが頭部に関しては自ら破壊したのは衝撃でした。人間には寿命がありますが、ロボットもまたプログラムの書き換えや体の破壊など、人間には知ることのできない終わりがあるのが切ないです。クリアや兄弟は歌で人を操るようにプログラミングされており、その声は蒼葉の声を元に作られていて、だから蒼葉をマスターと呼んだ、という情報は初耳だったので素直に驚きました。歌を歌うためにつくられて、歌を通じておじいさんや蒼葉と親交を深めて、歌を利用して(コードの逆再生だったかな)兄弟を破壊する、歌とクリアは切っても切れない関係にあるんだなと。

クリアがせめて最期に、と蒼葉の熱を求めるシーンはボロ泣きでした。観る前「濡れ場のシーンがあるなんて……」と良からぬことを考えていたのがマジで馬鹿みたいです。反省します。呼吸の音すら憚られるほど、この空間を邪魔してはいけない、という空気がすごかったです。

 

アフタートークにて、「クリアは自分の顔にコンプレックスがありましたが、土屋さん山懸さんは何かコンプレックスはありますか?」という質問がありました。その質問に土屋さんは「おでこが広いのがコンプレックスで昔は前髪で隠してた(お父様にでこっぱちと揶揄われたとも言っていた)。今はガッツリセンター分けをしているけど……。」と答えていたのが意外でした。なにせ私が土屋さんを知ったきっかけはガッツリセンター分けのキャラクターなので……。

 

土屋さんの初主演作品をこの目で見ることができて嬉しかったですし、土屋さんきっかけでドマステに出会えて良かったです。ゲームには続きがあるそうなので、クリアルートの続きも見てみたいなと思いました。